白紫檀
気づいたら前回の更新から10日ほど経ってしまっていた。
出張帰りの疲れが取れなかったり、でも色々と片付ける仕事があったりで、記録にまで手が回らなかったというのがひとつの理由だが、盆栽にひとつショックなことが起きていて、なかなか筆を手にとることができていなかった。
白紫檀がどんどん枯れてきてしまっている。
帰ってきたときは数カ所枝先がしおれていて、正直あまり心配しておらず、枯れたところだけを剪定してもう大丈夫だろうと高を括っていたのだけれど、そういう問題ではなかったのだろう。
自動灌水機の水だけでは足りなかったのだと思う。
出張時に家族に送ってもらっていた写真でも、そんなに元気がないようには見えなかったのだけれど(たとえば梅は水不足になると明らかに葉っぱがしゅんとするのでわかりやすい)、観察が甘かったのだろうな。
メネデール溶液に漬けたり灌水したりもしたけれど、どんどん枯れが進行してしまっている。
とりあえず剪定した切り口につける薬をさすがに買わなければと思い、盆栽屋さんに行った。
店員さんに、枯れかけているときに何ができるのかを聞いてみた。
無理にあちこち剪定はしなくてよく、枝が完全に枯れたらそこを切って薬を塗ること、あとは普段通りに世話をしつつ見守ること。
「植物も生きようとしているから、頑張れ、という気持ちを込めれば伝わるんですよ」と言われた。
枯れてしまうというのは、生き物を引き受けるうえでは逃れられない宿命だとも。
基本的には自動灌水機の量の調整が足りなかった私の責任で、「仕方なかった」とは決していえないと思う。
けれど、全部が全部自分の責任だと思うのも、「植物の生を自分が完全にコントロールできる」という前提に立っていて、それはそれで危ういのだろう。
変わりやすい天候、そして(私の経験が足りないことを差し引いても)そもそも違う生き物のニーズを汲み取るのが難しいということ。
私ももっと成長する必要があるけれど、植物を育てるときには、こういうことが起きることを含めて責任を引き受けなければいけないんだな、と実感した。
今はまだ元気な枝も少し残っているので、頑張れ、元気になってほしいな、と伝えながら、様子を見ていこうと思う。
他を枯らしてどこかに栄養を残そうとしているはずだと店員さんも言っていたので、それもきちんと見極められるように。
もちろん元気になってほしいけれど、どんな結果になってもちゃんと見届けて、これからの糧にしようと思う。